受験国語現代文の解き方:ライオンの勉強法

現代文を理解する本質的な勉強方法を解説します。

ライオンの勉強法

受験国語現代文の解き方

現代文を理解する本質的な勉強方法を解説します。

おすすめ記事

現代文 センター試験 過去問 解答解説 2020年 国語 解き方 【共通テスト 現代文 対策】

センター試験現代文過去問解答解説2020年

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大学入学共通テスト2021 国語第一問(現代文・評論文)解答解説はこちら

2021 大学入学共通テスト国語現代文解答解説 第一問評論文 - 受験国語現代文の解き方:ライオンの勉強法

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

2020年のセンター試験国語の第一問(評論文)を見ていきます。

 

このブログを初めて読んだという方は次の記事を先に読んでください。

 

 

kokugo-gendaibun.hatenablog.com

 

それでは早速2020年のセンター試験現代文を解説します。

 

問題をお手元にご用意ください。

 

現代文唯一の公式=読解の3ステップ


必ず次の3ステップで読むことを忘れないでください。

 

センター試験現代文過去問読解の3ステップ

 

 

本文の前半には必ずこれらが書いてあります。この3ステップを踏み間違えないように、読解ナビを穴埋めしていきます。

 

センター試験現代文過去問読解ナビ

 

2020年センター試験第一問のテーマ

2020年の第一問(評論文)は前説で「次の文章はレジリエンスという概念を紹介し現代的意味を論じている」とテーマを明言しています。

 

通常であれば前説は「次の文章を読んで問いに答えなさい」と簡潔な文章で終わりますが、ときどき文章のテーマや趣旨を説明してくれるときがあります。

 

これは受験問題の作り方に起因しています。

 

問題として出される本文はもっと長い文章の一部分だけを切り取って受験生に提示することになります。

 

受験生は出題されている本文の前後の流れはまったくわかりません。

 

そのため出題者はわかりやすくテーマが書かれている段落から受験問題の本文として抜き出してくるわけですが、時々うまくいかないこともあります。

 

受験生に読んでもらう文章量は例年に比べて多すぎても少なすぎてもいけませんので、ある一定の幅の中で抜き出してこなければならないからです。

 

このような場合、出題者は問題に使う傍線部を引きたいところを中心に抜き出し、テーマは前説で伝えるという手法を取るのです。

 

2020年のセンター試験国語第一問(現代文 評論文)は冒頭が比喩から始まります。

 

比喩とは例え話ですので、本文のテーマをダイレクトに伝えるところではありません。

 

この本文の場合も、読み進めていけばテーマがレジリエンスであることはわかりますが、前説に書かなかった場合テーマを捉えきれない受験生が続出し平均点が大幅に下がってしまうのではないかと予想されます。

 

現代文読解ナビ

1 本文のテーマは(レジリエンス)である。

 

なお、レジリエンスという単語について知らなかったとしても問題は解けるようになっています。

 

現代文は単語力と背景知識がどれだけあるかで勝負が決まると言っている人がいますが、これは間違っています。

 

もちろん単語力や背景知識は無いよりはあった方が良いですが、現代文で問われているのは知識量ではありません。

 

 

 

むしろ現代文は初めて見たり聞いたりしたものを理解する能力を問う試験です。

 

慌てずに本文を読み進めてください。

 

(なぜ単語や背景知識の勉強を推奨する人がいるのかというと、単語や背景知識だけで溶けてしまう問題もあるので、解説をするときに単語や背景知識を理由にした方が楽だからです。また、そうすれば教えている本人が実は文章をしっかり読めていなくても解説ができるからです。)

 

なお、本文の第三段落と第四段落でレジリエンスの言葉の説明をしてくれていますので、レジリエンスという単語を知らなかった受験生もここで基礎的な意味は理解することができます。

 

2019年センター試験第一問の二項対立


次にレジリエンスに関するどんな対立を話題にしているのかを見つけます。

 

実は後述するように傍線部Aがそのままこの二項対立を問いにしていますが、第五段落では「回復力(復元力)、あるいは、サスティナビリティ」と「レジリエンス」の違いについて述べられています。

 

環境の変化に応じて自己を維持するという文脈で語られた時、前者は「あるベースラインや基準に戻ること」、後者は「固定的な原型が想定されていない」とされています。

 

一方では戻るべき原型があり(+)、もう一方は戻るべき原型が無い(-)のですから、対立軸が作られていますね。

 

現代文読解ナビ

1 本文のテーマは(レジリエンス)である。

2 テーマについて(環境変化に対し戻るべき自己の原型があるサスティナビリティ等の言葉/考え方)と(環境変化に対し戻るべき自己の原型がないレジリエンスという言葉/考え方)がある。

 

2019年センター試験第一問の筆者のポジション

それではナビの最後の項目、筆者が二項対立のどちらのポジションにいるかを見つけます。

 

前説に書かれていた通り、そもそもこの文章はレジリエンスについて説明している文章なので、大どんでん返しが無い限りは(というか受験問題においてはあり得ません)、筆者はレジリエンス側です。

 

受験問題を離れれば、例えばレジリエンスという考え方をひたすら批判していくという文章を書くことは可能です。

 

この場合、筆者はレジリエンス側ではないということになりますが、受験問題にはなりません(少なくとも良問ではありません)。

 

それはそのような文章を大学生に書いてほしくないからです。

 

大学では様々なレポートを書くことになりますが、必ず「自分の意見を書くこと」を求められるはずです。

 

大学の機能とは研究を行い、新しい発見や考え方を社会に提示して科学や社会の発展に貢献することです。

 

他者を批判しているだけでは発展は生まれません。

 

自己の意見を論述する過程で他者を批判することはありますが、必ず自己の意見があっての批判です。

 

学生に真似してほしくない負の見本を入試に出題することはありませんので、入試問題でひたすら筆者の意見と反対の概念の説明がなされるという文章は出題されないのです。

 

さて、本文中からも繰り返し筆者がレジリエンスをオススメする表現を拾うことができますが、第十三段落に注目しましょう。

 

傍線が引かれていますが、段落冒頭に「提案できる」と記述があります。

 

ここは筆者が自己の意見を提案しているところです。

 

先ほど「大学の機能とは研究を行い、新しい発見や考え方を社会に提示して科学や社会の発展に貢献することです」と述べましたが、本文の場合、筆者は「(レジリエンスを)ミニマルな福祉の基準として提案」したいから文章を書いているのです。

 

現代文読解ナビ

1 本文のテーマは(レジリエンス)である。

2 テーマについて(環境変化に対し戻るべき自己の原型があるサスティナビリティ等の言葉/考え方)と(環境変化に対し戻るべき自己の原型がないレジリエンスという言葉/考え方)がある。

3 筆者は(変化する環境の中でレジリエンスを持てるようにすることこそミニマルな福祉の基準になりうると考えるの)だから、(戻るべき原型がないレジリエンスという言葉/考え方)の側である。

 

 

 

2020年センター試験第一問の問2

読解ナビが完成していれば簡単ですね。

 

ナビ2の内容をそのまま書いている選択肢②が正解です。

 

2020年センター試験第一問の問3

レジリエンスとは環境の変化に応じて自己も動的に変化させ適応させていくものとして説明されていますが、この文脈で捉えれば脆弱性=変化しやすいことは「レジリエンスを保つための積極的な価値」と述べられています。

 

つまり筆者は脆弱性という言葉を自身の側に取り込んで話をしています。

 

読解ナビのとおり、変化する環境に動的に(戻るべき原型がないレジリエンス)対応できるような福祉を提案しているのはどれでしょうか。

 

選択肢③ですね。

 

選択肢①は依存という関係ないテーマで読解ナビ1に反しますので不正解です。

 

選択肢②は「抵抗力」という原型、選択肢④は「均衡状態」という原型、選択肢⑤は「日常的な生活」という原型を想定しているのでそれぞれ筆者と反対側の記述なので不正解です。

 

2020年センター試験第一問の問4

筆者の主張、読解ナビ3をそのまま問いにしています。

 

選択肢②が正解です。

 

選択肢①は現実世界の複雑さという関係ない話が出てきているので不正解、選択肢③は変化の影響を受けないとあり原型を保っているので不正解、選択肢④は支援者がニーズを満たしてしまっている=被支援者自身のレジリエンスで適応しているわけではないので不正解、選択肢⑤は経済力という関係ないテーマなので不正解です。

 

説明上、不正解の選択肢のどこが間違っているのかを簡単に記載していますが、正解を見つけた後に、見返す時間があったら他の選択肢を見て確かめるという趣旨で記載しています。

 

選択肢を見て最初に正解に目星をつけられるようにするために、読解ナビの穴埋めを行っています。

 

決して消去法に頼った勉強にならないようにしましょう(消去法では時間が足りなくなりますし、出題者が仕掛けた「引っ掛け」に引っ掛かりやすくなります)。

 

 

2020年度の問題は文章構造が入れ子構造になっていたり、抽象度が高い文章でしたので、読解ナビの穴埋めには多少苦労したかもしれませんが、反面、問題文は過度な引っ掛けもなく、読解ナビが完成していれば自信をもって選択肢を選べる問題ばかりでした。

 

センター試験には2020年のレジリエンスのように近年話題になっているキーワードが出題されることがあります。

 

出題されたキーワードを知っていれば試験会場で安心感を得ることはできます。

 

しかし問題が解けるかどうかはまた別の話ですので、まずは読解の方法を身につけてから、キーワードの勉強をしましょう。

 

時間を考えると英単語のようにキーワードありきで勉強しない方が効率的ですよ。