受験国語現代文の解き方:ライオンの勉強法

現代文を理解する本質的な勉強方法を解説します。

ライオンの勉強法

受験国語現代文の解き方

現代文を理解する本質的な勉強方法を解説します。

たった1日で小説が得点源になるオリジナル参考書発売→詳細はこちら

おすすめ記事

【論説文対策】論説文、評論文、小説、随想においていわゆる受験テクニックは使えるのか、はたまた無駄なのか。【例題はきれいにとけるけど・・・】

 

入試国語現代文(論説文、評論文、小説、随想)においていわゆる受験テクニックは使えるのか、はたまた無駄なのか。

受験国語においてテクニック(コツ、解法、公式)は使えるのか

予備校や塾の授業、参考書、インターネットには現代文を解くためのテクニックやコツのようなものがたくさん溢れています。

 

英語や数学であればどの生徒も早めの時期からしっかりと対策を始めると思いますが、現代文はついつい後回しになってしまいがちなので、入試直前の時期になって模試などで得点が伸び悩み、時間がない中ですぐに得点を伸ばせるようなことを謳っている授業や参考書に手を伸ばしてしまうのも無理のないことだと思います。

 

どういったテクニックが広く教えられているか、いくつか例を見てみましょう。

 

現代文のコツ:筆者の立場になって考えることで読解力があがる

評論文の解の公式:接続詞に着目して読む。特に逆接(しかしetc)の後が筆者の主張や大切な個所

読解のコツ:指示語を繋いでいくことが読解のカギ

論説文の解き方:傍線部を要素分解してそれぞれを言い換えることで解答が完成する

国語の攻略法:問題にはパターンがあるのでパターンごとに解法を使い分ける

 

こんな例が多いですね。

 

そしてテクニックが述べられた後に例題が出されて、その例題を教わったばかりのテクニックを使って美しく解説していきます。

 

しかし、あくまでそのテクニックが通用する例題を選んで持ってきているので、その場を離れたらなかなか通用しないケースも多いです。 

 

世間で良く教えられている受験国語テクニックは間違っているのかといえば、部分的には合っています。

 

だから無下に否定するわけではありません。

 

ですが、これだけでは解けるようにならなかったり、かえって読解力を低下させることに繋がりかねません。

 

いくつかお示しすると、一つ目の「現代文のコツ:筆者の立場になって考えることで読解力があがる」ですが、道徳の授業ではないので、相手の立場に立って考えなくて大丈夫です。

 

というかそもそも筆者は自分ではない誰かにわかってもらおうと思って文章が書いているので、第三者にわかってもらえる形式で文章を書いています。

 

もっと言えば、自分が考えていることや置かれた立場と正反対の文章を書くことも可能なわけで、もしそうやって書かれた文章があったとしたら、それはその文章に書かれていることが正しいのです。

 

「筆者はこうやって書いているけど、これには別の意味が隠されているのではないか」とか深読みする必要はないのです。

 

余談ですが、小説や随想も作者や登場人物の気持ちなって感情移入して解くものではありません。

 

小説は小説の書かれ方があって、それをもとにして出題者も問題を出すのです。

 

2つ目「評論文の解の公式:接続詞に着目して読む。特に逆接(しかしetc)の後が筆者の主張や大切な個所」と3つ目「読解のコツ:指示語を繋いでいくことが読解のカギ」は、そういうときもあるよ、といった程度でしょうか。

 

実際に逆接の接続詞「しかし」の後に筆者の主張が来るときもあります。

 

でも、そうじゃないときもあります。

 

指示語の先を見ると問題が解けるときもあります。

 

でも、その指示語と問題が関係ない時もあります。

 

4つ目の「論説文の解き方:傍線部を要素分解してそれぞれを言い換えることで解答が完成する」は、そういう問題が出ることもありますが、それをやっていると要素過剰になったり逆に不足項目が出ることもあります。

 

それに大抵の人はそんなことしてたら時間なくなります。

 

それをやっているくらい時間に余裕のある速読力高い人は、おそらく違う方法で解いています。

 

5つ目の「国語の攻略法:問題にはパターンがあるのでパターンごとに解法を使い分ける」について、現代文出題方法のルールみたいなものがあって全大学の出題者がその通りに出しているわけではないので、パターン通りでないこともあります。

 

というか現代文の問題のパターン(なぜか=理由を聞いているとか、どれか=具体例を聞いているとか)はいちいち公式化しなくても、それくらい問題読めばわかります。

 

そしてすべてに共通するのは、大学入試において現代文で測定される力=初めて見た文章を理解する力の向上には繋がりません。

 

だからそういった後に残らない意味のない勉強はお勧めしません。

 

では全く意味がないかというと、そんなことはありません。実はテクニックはあくまで下地に過ぎないのです

じゃあ受験テクニックは無意味だから勉強しなくてよいかというと、そういうことでもありません。

 

どういうことかというと、およそ先に出てきたような5つのテクニックはどれも中学校で習う国語文法なのです。

 

それをあたかも大学入試問題の解法テクニックのようにデコレーションしているだけです。

 

なぜそんなデコレーションがまかり通るかというと、国語には数学のような絶対的な公式や歴史のような暗記事項がありませんので、得点が上がらず悩んでいる時にふと飛びつきたくなるのだと思います。

 

また、例えば指示語に例を取れば、傍線部の指示語の一つ前の文章に書かれていることをそのまま答えれば正解になってしまう問題も出されることがあります。

 

だから教える側も過去問で解いて見せることができますし、解く方も模試や本番で運よくそういった問題に巡り合うこともあるでしょう。

 

ですが大学入試問題は高校で習った武器で挑むべきで、中学で得た武器でいつまでもチャレンジしていたら、そこにはおのずと限界があります。

 

仮にあなたが国語以外の教科がとても得意で、国語はとにかく最低レベルで良い、ということであれば世の中にあふれている国語の受験テクニックで足りてしまうかもしれません。

 

もしくは、そういった受験テクニックに引き付けられるということは中学校の国文法を忘れてしまっているのかもしれません。

 

ですので、どういったテクニックが謳われているか、一度見てみるのは良いことだと思います。

 

そしてそれを下地として、しっかりと読解力を培い、読解力で問題を解くようにしてください。

 

 

 

<関連記事>

 

kokugo-gendaibun.hatenablog.com