現代文攻略に語彙力は必要か?
受験で国語(現代文)を勉強するにあたり、語彙力は必要かどうかという質問によく出会います。
必要かどうか悩んでいるのであれば、きっと練習問題などを解いていて知らない単語やキーワードにで出会うことが多いのだと思います。
そんなときに答えていることがいるもあります。
「語彙力が必要かどうか悩んでいる時間があったら現代文の単語/キーワードの勉強はすぐに終わるからサクっと終わらせてしまおう」
これが僕の解答です。
受験生からすると英語の語彙力をつけるために英単帳を何度も何冊も勉強しているイメージがあり、それに加えて現代文の単語もやらなければならないとなると時間が足りないという思いがあるのだと思います。
心配しないでください。
現代文の語彙力は1か月もあれば概ね完成します。
(当然ですが古文や漢文の単語はしっかり勉強してくださいね!)
英単語と現代文単語の勉強の違い
英語の場合は外国語学習ですので、基本的には長文読解問題中に出てくる単語はすべて皆さんが勉強して覚えたものです。
その中で、例えば1文の中に3個も4個もわからない単語が出てくるようであれば、さすがにその文章の意味を理解することは難しいでしょうし、もちろん長文を読むこともできません。
一方で国語(現代文)は母語ですので、1文の中に3個も4個も知らない単語が出てくることはないでしょう。
仮に、ある文の中にわからない単語があった場合でも、その前後の文脈からある程度意味を推察することができます。
なぜなら文章というのは繋がりの中で意味を持ってくるものだからです。
全ての文章は前の文章の流れを受け、そして次の文章にバトンを渡していきます。
もし一文だけ抜き出して意味を答えなさいという問題があれば、一つの単語を知らないことで解答できないこともありえます。
これは英語の単文和訳問題などを想像してください。
でも現代文では単文問題というのはあり得ません。
かならず長文問題が出題されます。
であれば、文章全体の大きな流れの中の1文ですので、流れにそって素直に推察してください。
ここで推察できる力こそが、現代文をきちんと読解できているかどうか=入試問題で受験生に問われている力なのです。
そのため現代文の読解力を挙げていけばある程度語彙力不足は補っていくことができます。
現代文の語彙力をつけるのは簡単でその後の勉強も効率的
ではなぜ語彙力の勉強を進めるかというと、それは簡単でかつ効率的な勉強法だからです。
先ほども言ったように、そもそも勉強しなくてはいけない語彙数(単語数/キーワード数)が少ないので、英単語ほど時間がかからずに終わります。
また、問題文中で遭遇した時に、知らない場合推察しないといけませんが、知っていればその推察する時間が省けますので、早く読み進めることができます。
勉強方法としても、単語帳は必要なものをコンパクトにまとめているものなので、不足している物を補うという意味では、とても効率的です。
なので、悩んでいる時間がもったいないですし、全体的な効率も上がりますので、サクっと勉強してしまいましょう。
なによりここで現代文に対する自信も獲得できます。
単語帳による勉強をオススメしますが、それでも練習問題などを勉強中に知らない単語が出てきたら辞書を調べる、という手間はなくさないようにしてください。
単語は文章の中に置かれて初めて息を始めます。
息をしている単語を見て人間の脳も覚えてくれます。
ちょっと例え話をすると、ウイルスを不活性化させた予防接種で免疫を獲得するのが単語帳だとしたら、実際にウイルスにかかって病気を経験して免疫を獲得するのが文章中での勉強です。
後者の方が確実な知識となります。
現代文の語彙力を上げるためにおすすめの参考書
あまり参考書紹介はやらないのですが、二つだけ紹介しておきます。
レベル1 ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20
少し古いですが河合塾SERIESの中の1冊です。
辞書っぽくないゆったりとしたレイアウトで書かれ、現代文に苦手意識のある人でも取り掛かりやすいと思います。
学校の教科書で時々わからない単語が出てくるという人はこちらから始めてください。
レベル2 現代文キーワード読解[改訂版]
Z会出版から出ている読解に必要な語彙力をつけることができる参考書です。
問題文は読めているはずなのに点数が上がらないという人は、単語についての自分の中でのイメージと実際の意味がずれている場合がありますのでこちらの参考書を使ってみましょう。
レベル1から始めた人も次のステップとして取り組んでみてください。
語彙力をつけた後は読解方法を学びましょう
現代文の単語を学んだあとは読解方法の理解が必要です。
日本語がわかること=現代文が解けることではありません。
現代文の書かれ方のルールを知らないと入試では得点できませんので、しっかりと勉強しましょう。
次のカテゴリーの記事も参考にしてください。
・現代文の読み方と解き方
・入試過去問解答解説