社会に出てから現代文の受験勉強が役に立つ場面とは
社会人にも受験の現代文が役に立つというと、文学史上の著名な作品を知っていることや最先端のテーマについて知っている等、主に教養面で役に立つからと思われることが多いようです。
確かに、会議の中のふとしたたとえ話に著名な文学作品の一節を諳んじて見せれば、同僚はあなたのことを尊敬するかもしれません(嫌味なやつだと思われる場合もありますので要注意)。
プロジェクト立案会議の中で世界の最先端の哲学テーマを持ち出せば、そのプロジェクトにエシカルな正当性を付与することができるかもしれません。
いずれも間違いではありませんが、ここで言いたいのは受験の現代文で身に付く力はもっと汎用的で、日常的に私たちを助けてくれますよということです。
現代力と社会人力(ビジネス力)
現代文で身に付ける力は、書かれた文章を論理的に組み立てながら読んでいき、情報を頭のなかで整理し、問題に対して的確にアウトプットする力です。
これは会議の場でも同じです。
口頭で話されたり、パワーポイントなどのスライド資料が使われますが、
プレゼンやプレゼン資料=長文
と置き換わっているだけです。
では現代文の問題に答えるという行為は会議ではどうなるでしょうか。
それは話されたことを論理的に組み立てて聞き、相手の主張やその根拠などを頭のなかで整理しながら、会議を円滑に進め話し合われている物事が前に進むように自分の発言をするということです。
自分が会議の参加者であった場合は現代文の問題を解く側の手順と同じですね。
一方、自分が会議をリードする立場であったらどうでしょうか。
相手に伝えるための適切な話題の順序や、根拠を裏付けるための必要な順序を考えますよね。
また、プレゼンの資料を作る際には、どのようなスライド構成にするか、どのような図を書くか考えると思いますが、これは自分が頭のなかで整理した情報の順番であったり整理図を資料に落とし込んでいく作業になります。
場面によってインプット・アウトプットの差はありますが、その型を身に付けていれば、あわてる必要はありません。
なお入試において現代文力のアウトプットが必要なのは小論文問題がある場合です。
現代文というのは日本語を使ってコミュニケーションをとる汎用的な力を養う科目です。
ですので、
会議や資料=長文
図解力=情報を図としてまとめる力
と置き換えれば、社会人になってからも必要なビジネスパーソン必須のスキルなのです。
社会人に必要な現代文力は入試の論説文/評論文の問題を攻略すれば向上します。
順番にトライしてみてください。
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社会人が現代文力を養うのに最適な参考書のご紹介
社会人の国語力向上を謳った書籍はいくつかありますが、一番良いのはこちらの書籍です。
2000年の出版と少し古いですが、国語が変わるわけではないため、今でもとても参考になります。
著者は受験を専門に研究する大学教授です。
ただし、この本はとてもわかりやすく書かれているのでご安心ください。
古い新書は書店ではなかなか見つかりませんので、オンラインで探してみてください。