受験勉強と恋愛の関係
受験と恋愛はしばしば取り上げられるテーマです。
個人的な意見としては、一度しかない人生のせっかくのめぐりあわせなので、受験生の間に恋愛も自然に受け入れてほしいなと思っています。
とはいえ、インターネット上にも多くのメディアからの情報だったり、質問サイトでは様々なQ&Aが出ています。
最初にいくつか参考に見てみたいと思います。
佐藤:受験に恋愛は無駄です(会場笑)。1日は24時間しかありません。女の子とスタバで2~3時間、お茶する。年1回ならいいですよ。けれど10回あれば30時間! その時間があれば参考書が1冊終わります。恋愛している場合ではないことを教えましょう。
子どもにいちばん効くのは、先輩の失敗談です。灘のお母さん方から「○○先輩は遊んでばかりで2浪した」「彼女がいる△△先輩は、医学部をあきらめたらしい」と聞くたびに、ぜーんぶ話して聞かせていました。
(出典)
これは兵庫県の難関私立である灘中・高校から東大理III(3年生から医学部に進学します)に息子さん3人を合格させた佐藤亮子さんというお母さんの言葉です。
すごいですね、さすが息子さん3人を最難関の東京大学理科Ⅲ類に合格させただけあり、受験を知り尽くしているといった感じです。
3人目のお子さんの時にはさぞかし受験テクニックや受験ナレッジの蓄積があり、すべてがオートメーション化され、オプティマイズされていたことでしょう。
これと反対の見解を述べているのが3人の息子さんをこちらはスタンフォード大学に入学させたアグネス・チャンさんです。
スタンフォード大学は世界大学ランキング最上位校で正直日本でトップの東京大学より全然高いです。
大学ランキングはある定められた指標に基づいた評価なので、ランキングがすべてではありませんが、世界中から入学志願者が殺到する最難関大学であることに異存はありません。
アグネス・チャンは、「恋愛は大切な受験経験」ととらえていることだ。
頭の良さはもちろん、内面の充実も重視してきたアグネス・チャンにとってこれは自然なことらしい。異性との付き合いを否定すると、子どもは恋愛に対して臆病になってしまい、健全な男女関係もつくりにくくなってしまうからだという。(出典)
新たな「アグネス論争」勃発?「受験に恋愛は必要です!」息子三人をスタンフォードに入れた教育法とは 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
こちらは受験を控える親御さんたち向けの講演会や書籍での言葉ですが、実際の受験生本人向けにはどのような言葉が発せられているでしょうか。
受験期の恋愛の良い面
受験期に恋人がいることは、楽しいことも多くあり、「一緒に頑張ろう」など2人で共通の目標ができやすいので励みになるはずです。・・・相手から刺激を受けられるということが、受験期の恋愛の良い面です。
受験期の恋愛の悪い面
一方でこの時期の恋愛は、好きな人のことを考えすぎて勉強に手が付かなくなってしまうことが考えられます。・・・
集中力を欠いてしまった結果、受験に失敗するなどがあれば大問題です。恋人は大学生で、かたや自分は浪人生となってはその後の2人の関係にも影響を与えかねません。・・・
・・・受験期の恋愛には良い面も確かに存在します。その良い面を上手に活かせればどちらもうまくいくこと間違いなし!
(出典)
受験期の恋愛は良い?悪い? 失敗の可能性は!? | アオハル
5.受験期間の恋人との付き合い方
もし付き合っていないのなら受験の間は恋愛を我慢して、大学生になってからの出会いに期待してほしいと思います。もし今付き合っているのなら、これは相手との「距離感」がポイントになります。
受験で良い結果を残しつつ相手とも良い関係を維持したいのならば、基本的に受験勉強中は相手と会わないようにして、連絡も取らないようにしましょう。
(出典)
【恋愛】受験生の恋愛っていいの?だめなの?
受験は「期間限定のイベント」かつ「一生を大きく左右する」のに対し、10代の恋愛はそこまで将来に影響しないことが多いからです(ボルテージは高いけどヽ(´∀`*)ノ)。
ちょっと酷かもしれませんが事実を一つご紹介しますと、ある大手通信教育会社の調査で、高校生カップルが大学後もそのまま付き合う確率は、すごーく低いことが判明しています。
「俺たちの愛は永遠なんだ!」と言いたい気持ちはわかりますが、統計的には高校時代の恋愛は一時的な恋愛で終わる可能性が高いのです<(_ _)>
(出典)
恋愛論。~「受験生の恋愛」はアリか、ナシか~ | 勉強の集中力が10倍アップする秘訣~早稲田集中力研究会 公式サイト~
最後のこれはすごいですね。
大学入学後に後々残っていないから高校時代の恋愛は無駄だと。
だったらお前ご飯たべるな、友達と遊ぶなと言いたくなりますけどね。
ご飯が消化されてエネルギーになるとか、思い出を作るとか人間関係について学ぶとか、そういうのも全部捨てろってことですよね。
多くの言及メディアがありますが、だいたいどこもこのような感じです。
受験勉強期間中の恋愛についてメリット・デメリットを分析し、デメリットを考慮して恋愛反対派が多数、一部が条件付きで恋愛容認といった感じです。
受験と恋愛の問題だけ注目されすぎでは?
一つ僕が思ったのは、中学生や高校生は受験勉強だけをして日々生きているわけではないから、そのほかにもたくさんのことがあるのに、受験だけ大きくクローズアップされて何か突飛なことのように論じられてしまっているなということです。
もちろん受験勉強は多くの時間と期間を必要としますし、人生の岐路であることは間違いありません。
ですがその他の部活で大会で勝つためのトレーニングや、文化祭への準備や、日々の授業の準備、習い事、それぞれの夢や目標に向けた取り組みなど、たくさんのことをしながら毎日を過ごしています。
結局こういったすべての「やるべきこと」をマネジメントしていくことは必要なので、受験勉強と恋愛の二項対立だけを見ないで(木を見て森を見ず)、毎日の生活全体を見てマネジメントできているかどうかを考えるべきではないでしょうか。
小さな部分が出来ていれば、きっとその集合体である大きなところでもうまくいくでしょう。
逆に小さな部分ができていなければ、全体でもだめでしょう。
ものすごく理性的に、ロジカルにとらえればこういった話になりがちなのですが、少し視点を広げてみたところで、人間てAIじゃないんだよというところも伝えたいと思います。
人間は機会じゃないから損得勘定だけではないはず
行動経済学という学問があります。
経済学というのは、例えば買いたい人が多いのに者が少なければ市場で価格が調整されて物の値段が上がるよね、それぞれほしい人がこれくらいだとこれくらいの値段だよね、という経済の動きを計算式を使って証明していく学問です。
経済学においては人間の判断や感情はすべて数値化されていきます。
一方で行動経済学はそうした従来の経済学の一つのアンチテーゼとしてだされたものです。
心理学的な手法も使いながら、「人間てそんな計算式通りには動いてないでしょ」ということを論じているのです。
ダイエットしているはずなのに甘いものを食べてしまう、外れるとわかっているのに宝くじを買ってしまう。
これはわかりやすい例として少し単純化した例を挙げていますが、おおよそ、「理論的にはこうだけど、実験をするとかならずしもそうならない」ということを証明していく学問です。
恋愛という人間の感情の核心に近いようなところをメリット・デメリットで分析して語る人は、そのうち「今あなたがそうやって考えているのは、あなたの認識が間違っているからで、私があなたの記憶のデータベースを直してあげましょう、そうしたら恋愛なんて不合理だからやめようと考えを改めるでしょう。」みたいに言いだすのでしょうか。
人間は自分の気持ちに素直になれていないときにものすごいストレスを感じます。
それが一番受験勉強にも良くないんじゃないでしょうか。
どんなことであれ、自分で納得して選んだ道なら、人は頑張れます。
そしてそんな人は言い訳もしません。
どの道に進んだらよいかなんて神様しか知らないんだから、僕たちができることは自分が選んだ道が正しい道になるように頑張ることだけです。
だから、恋愛は有りか無しかとか、良いか悪いかとかじゃなくて、気持ちのとおりに決めて、どうやって他の事(受験とか部活とか)と含めて全部うまくやっていくか、を考えましょう、というのが結論です。
途中いろいろうまくいかないこととか、後々失敗したかなと考えることもあるかもしれないけれど、豊かな人生ってそういうものだと思います。