現代文にも種類があり、対策は種類ごとに異なる
入試でもっともよく出題されるのは評論文ですが、時々随想文が出題されることもあります。
見た目は同じですが、評論文と随想文では書かれ方が全く異なり、そしてそれはつまり解き方も全く異なることを意味します。
これを知らずにただ漫然と文章を読んでしまうと、なんとなく読めたような気がするのに得点が全然ついてこないという状況に陥ってしまいます。
そうならないように、しっかりと文章の種類を知り、問題を解く際にはそれが評論文なのか随想文なのか見抜いて読み進めるようにしましょう。
評論文とは
評論文は論説文とほぼ同じで、どちらも一つのテーマについて、筆者の主張を伝えるために書かれる文章です。 ですが評論とつくだけあるので、あえて論説文と区分しようとすれば、論説文の中の下位概念として、今起きている事件や流行っていること、新しく出版された本など実体験に基づく具体的な事象について論じているものということができます。扱っているテーマの抽象度という意味では評論文のほうが具体的になるかもしれません。
随想文とは
随想文は筆者自身の日記やメモのような役割で自分自身に向けられた文章です。出版などでは随筆と同じようにエッセイ(エッセー)としてカテゴライズされています。ただし人によって読み方に差が出るような書き方も見られ、どのような表現の仕方をするかが作者の感性や文章力の見せ所です。こう説明すると「現代文はセンスが無いと解けない」と思うかもしれませんが、問題はあくまで客観的に読んでわかることしか出題されません。センスがあればより深く楽しむことができると思いますが、入試問題を解くうえでは不要です。
現代文には評論文、随想文の他にも入試で出題される文章形式があります。
別の記事でご紹介していますのでそちらもあわせてご覧ください。
kokugo-gendaibun.hatenablog.com
評論文と随想文の読み方の違い
評論文は自分の主張を相手に伝えることが目的ですから、どんな人が読んでもわかるように書かなければ意味がありません。
人間の長い歴史の中で徐々に一定の形式の中に収れんされてきて、今は評論文の書かれ方というのは決まっています。
このブログの多くの記事で解説していますが、まずは次の記事を読んでみてください。
kokugo-gendaibun.hatenablog.com
また、随想文は古文で習う枕草子のように日本古来から受け継がれてきている書き方で、日本人の心に響くものです。
随想文は作者それぞれの個性が重視されますので、決まった形式というのはありませんが、評論文と比べれば話題の展開が早く、個人的なエピソードが具体例として展開され、全然関係なさそうないくつもの話題が実は一つのテーマで貫かれています。
どちらも書かれ方を知り、そのレールに沿って読み進めることが大切です。
随想文は過去問を使って紹介している記事をご覧ください。
kokugo-gendaibun.hatenablog.com