読みにくくて苦手な人が多い文語文
一部の難関大学などで出題される文語文。
日常生活では絶対に使わないような表現や文章の流れに戸惑う受験生多発です。
一方で大学で古典や歴史を学びたいと思っている人にはむしろ得意としているようなケースも見られます。
入試においてどのように文語文の問題に向き合っていくか、というマインド作りがとても重要ですが、一言で文語文といっても種類があります。
最初にその種類を抑えて、志望校で出題されるのはどの種類の文章かを確認して対策を取っていきましょう。
入試に出る文語文の種類その①:漢文訓読体
実は完全な漢文訓読体が入試に出されるケースはありません。
漢文訓読体とは読んで字のごとく漢文を書き下した文章です。
ですので皆さんが漢文問題を読んだ読み方そのままです。
実際の文語文の問題としては明治初期の和漢混交体(漢文訓読と和文体が合わさったもの)が多いですが、基礎として漢文訓読体というものがあることを知っておきましょう。
明治期の法律や公式文書などは漢文訓読の形で書かれています。
入試に出る文語文の種類その②:和文体
和文体は平安時代頃に日常で使われていた口語をベースとした言葉とされています。
古典などを勉強していると、当時の人はとても遠い人のようい感じられるかもしれませんが、実は口語は今の人とそれほど大きく違ってはいなかったのではないかとも言われています。
紫式部の源氏物語もこの和文体で書かれていますが、当時書物のコピーを作成することはとても困難でしたから、源氏物語も読み聞かせを前提として書かれています。
そのため、当時の口語に近い書き方をされています。
その他、短歌や俳句などでも目にすることがある文体です。
入試に出る文語文の種類その③:和漢混交体
漢文訓読体と和文体が合わさったもので、入試に出題される文語文として最もポピュラーなものです。
漢文訓読体と和文体の大きな違いは前者は漢語であり、後者は大和言葉であることです。
歴史的に中国から大きな影響を受けてきた日本では、漢文を理解することは貴族の大切な教養とされ、そこに日本らしい表現や感性を織り交ぜてきました。
入試に出る文語文の種類その④:普通文(明治普通文)
和漢混交体が発展したのが普通文(明治普通文)で明治から昭和頃まで使われていました。
漢文訓読体では漢文という元の文があります。
漢文訓読体で書かれた文章と漢文に戻すことを復文と言います。
漢文訓読体はあくまで翻訳に過ぎません。
逆に普通文はこちらがオリジナルの文章となります。
これは何を意味するかというと、漢文の教養が無くても普通文は書けるということです。
明治期には西洋の言語が多く入ってきて、漢文の地位が相対的に低下していたという時代背景も影響していたようです。
次の記事もご覧ください。