似ているようで異なる論説文/評論文と説明文、その違いとは?
論説文/評論文と説明文の違いは、ずばりその文章を書く目的です。そして目的が異なるので、文章の構成も異なってきます。
現代文において、多くの大学では論説文/評論文が出されます。
ですが時々説明文が出されることもあります。
入試で出される論説文/評論文と説明文の違いと対策
論説文/評論文と説明文はどう違うのでしょうか。
論説文/評論文はある物事などについていくつかの例を比較しながら、どれが良いのかを主張していくものです。
例えば現代文の参考書がいくつかあるとして、その参考書を見やすさという観点で比較して使いやすい参考書をお勧めするといった場合です。
筆者の意見を述べていることから意見文と呼ばれることもあります。
一方、説明文はある特定の物事について順序だてて教えていくものです。
例えば様々な料理のレシピ本があると思いますが、ここに書かれている調理の手順は説明文です。
最も世の中のレシピ本は写真や図が多く、文章は箇条書き程度のものが多いですが、入試で扱われる説明文は写真や図も含めてすべて文字に起こされているとイメージしてください。
このように論説文/評論文と説明文の違いは「意見の有無」と「文章の構造」に集約されます。
論説文/評論文は筆者の意見があり、相手に説得するためにその証拠となる具体例や反対意見への反論を書いていきます。
一方説明文であはある事柄を相手が理解しやすいように順番をおって書いていきます。
論説文/評論文と説明文の読み方と解き方の違いとは?
論説文/評論文と説明文の文章構造の違いを先にお話ししました。
それでは入試で出された際に受験生はどのように読み、問題を解いていけばよいでしょか。
説明文は物事を順序だてて説明している文章ですので、説明されている物事が何かを冒頭でつかみ、「まず/最初に、次に/続いて、最後に/終わりに」などの順番を表す語について注意して読み進めます。
設問は順番を捉えられているかというところを聞いてきますので、記述問題であればしっかり順番通りに書き込めば正解となります。
論説文/評論文はテーマについて比較をして主張を述べていくものですので、テーマを掴んだあと、どの観点から比較しているのか(二項対立)、筆者はどちらの側なのかということを読みます。
問題に答える際は記述問題であれば上記の文章構造をしっかり反映させる必要があります。
【評論問題対策におすすめの参考書・問題集】
>キーワード・単語
>読解方法
>評論文と論説文の読み方はこちらの記事をご覧ください。
■【現代文(評論文)のテーマの捉え方】北海学園大学入試国語過去問解説 2020年
■青山学院大学 国語 過去問解説 現代文頻出テーマ 2020年
■日本大学 国語 過去問解説:入試における漢字問題と常識問題 2020年
このように論説文/評論文と説明文は読み方や問題の解き方が大きく異なりますので、それぞれに適した読み方をしないと攻略する必要があります。
論説文/評論文の問題なのに物事を順序だてて解答しても高得点は狙えないのです。
大学入試で説明文が出されることは少ないため、論説文/評論文と予想して読み進め、途中で説明文と気付いた時に切り替える方法が良いでしょう。
説明文は“順序立てて”書かれているので、この文章途中での読み方の切り替えは難しくありません。
中学受験や高校受験では説明文が多く出題される
以前は現代文が得意だったのに大学受験のための勉強を始めてから苦手を感じるようになったという人がいるかもしれません。
それはもしかすると説明文の読み方をずっと続けているのかもしれません。
中学受験ではかなり多くの割合で説明文が出され、高校受験でも大学受験よりは説明文が出されることがあります。
先に書いたとおり、論説文/評論文と説明文では読み方や解答の仕方を変える必要がありますので、この違いを意識しないまま現代文を説いていると「現代文解けない」とか「現代文苦手」という印象を持ってしまうことに繋がりかねません。
一口に現代文といっても文章の種類がありますので、出題された文章に合う方法で読んだり解答したりするように心がけましょう。
※現代文の種類については次の記事をご覧ください。
現代文の種類と読み方の違いがわかりますか?論説文・評論文・随筆文・随想文・小説文・詩・俳句・短歌の特徴と読解ポイントは?